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流行と不易

ヘッドスパサロン美容室haruの杉山です。
「AEONのタピオカ屋さん閉まっちゃったね」と主人。「流行だったからね。」と返す私に内装業の主人は「あのお店、内装費かけていなかったしね。」という、なんとも視点の違うところからの返し。一見、会話が成り立っていないと思われるくらいの視点で話を返してくる、でもこれは実は的外れな会話ではないのですね。

内装なんて全く気にしていなかった私に主人は「もとはサンドイッチ屋さんだったでしょ?タピオカ屋さんが営業していたときに、もう壁紙剥がれてきていて、剥がれた壁紙から前のサンドイッチ屋さんだったときの壁紙が見えていたんだよね。そうなるってわかっているから普通は壁紙の上に壁紙は貼らないよ。」って。壁紙の貼り替えは、古い壁紙を剥がして新しい壁紙を貼り替えるのが通常です。タピオカ屋さんは、早くオープンさせる必要があるので、お金と時間をかけずに流行っている“今”やるスタイルのビジネスモデルだからそういう工事をするのですね。

「今後タピオカ屋さんは1軒もなくなっちゃうのかな?」って。子供か!と思うような、自分の中で解決しないモヤモヤを好奇心と称して、私に困る質問を突然投げてくる主人。(こういうとこ、本気で面倒くさいときがあります、笑。でもたまに、いい気づきが生まれることもあるので感謝です。)しばらく考えて「残るとこもあるんじゃないかなぁ、流行る前からタピオカはあったわけだから。」の私の答えに「だよね。」・・・そう思ってたんなら先に行って欲しい。話が逸れちゃいますがこういう展開のときに2人の意見が違うと朝まで討論会になりかねないので。一安心したところで次の質問に続きます。

「同じタピオカ屋さんをやって、残るところと残らないところの違いってどこにあるのかな?」って。この質問の答えにはたくさんの要素が含まれるので、細かくあげたらきりがないと思うのですが、要は「続けるつもりで始めたのか?」という前提がポイントです。AEONのタピオカ屋さんは「儲かれば閉めてよかった、流行がすぎたら閉めるつもりだった」そうでなければ見るからに簡易なデザインと、営業中に剥がれてしまうような内装工事はしないです。その逆のお店は残るのか、に対してはそうとも言い切れません。そんなにビジネスは簡単ではないですよね。ただ、閉める前提で出したお店よりも、続けるつもりで始めたお店の方が、先を見据えているという未来志向がプラスになることは確かです。

変わるんですよね、時代も人の気持ちも。それを前提で“流動性のある今”に着目するのか、それとも時代や気持ちが変わっても“変わらないもの”を価値にしていくのか。やっていることがたまたま流行ってしまったとしても、本当に提供していることに価値があれば、流行が去っても続いていくと思います。そういえば、美容師ブームもありました。私もまさにその時代に専門学校に入ったひとりです。でも私はブームが去った今でも美容に携わっています。「そういうことだな!」と思うわけです。