ヘッドスパサロン美容室haruの杉山です。
私は美術館が好きなんですが、これに対して「私もです」と返事をしていただくとほっとします、笑。なぜなら「何で美術館が好きなんですか?」と聞かれるといまいちはっきりとした返事を持ち合わせていなくて困ってしまうのです。「感性が磨かれるからかな」と答えるものの、今度は感性を磨くって?となってしまいます。なので「こういう理由で美術館が好き」を今のうちにちゃんと言語化させようと思いました。
【韓国ドラマ、アニメを見て思ったこと】
美術館や感性を語るまえに最近見た韓国ドラマとアニメに共通点を見つけたので、その話から。ドラマの主人公の女の子の好きになる男の子は、お金持ちだけど自由がなく育ち、その原因は何でも思い通りにしたい権力を持った父親のせいでした。ほぼ笑わず、優しい完璧主義でそこが人に劣等感を抱かせるくらい、でも本人はそんな気も無いし、相手の気持ちの理解にかけたり、自分の感情もうまく伝わらなかったり。そこが面白いドラマなんですが、感情や表現力豊かな主人公に出会い変わっていく様子が描かれています。
アニメの方は戦場で「武器」として戦うために訓練をうけた孤児の少女が、戦後、手紙を代筆しながら人間らしい感情を探していく物語。感情を知るまえに、戦場に行くための訓練をうけたことにより、大佐の指示が全てで無情に任務遂行をしていく。それがたくさんの人の手紙を書くというやりとりを通じて感情をとりもどしながら過去の自分の後悔に苦しむ、その中で大佐が最後に残した「愛している」の言葉の意味を見つけていくお話です。
共通しているのは「強制的な圧力にさらされ続けると感情表現が出来なくなってしまう」という点です。父親の圧力、戦争、どちらも自らの意思決定の自由を奪っています。ただ物語の救いは「自由を取り戻すと感情も取り戻せる」というストーリーになっていて、物語は感情表現をすることでどんどん色鮮やかになっていき、引き込まれる展開になっていきます。
【合理的という考え方の拘束力】
合理的、これ一見自由な意思決定のように捉えられます。便利な時代になり、一回手にした便利なモノは手放せなくなります。「便利で合理的」だからですよね。ここで重要なのは「何のために便利で合理的でないといけないのか」ということです。優先するモノの為に優先したくないモノは便利にする、そうでないと「合理的」に考えを支配されてしまします。目的のない「合理的だから手放せない」は、それがさも一番素晴らしいかのように感じてしまうひとつの固定観念だと思います。こういう固定観念が植え付けられるとそれを外すのは難しいし、それが拘束力になって選択の自由を奪います。ある意味感情を奪われた上記ストーリーに近い状況を自ら作り出していると言えます。
【美術館は自分の感情に気づく場所】
いっぽうアーティストは表現が自由です。感受性が豊かで、むしろ感受性が強すぎることが周りから浮いてしまい理解してもらえない部分を作品として、表現しているところがある方もいますよね。もちろん純粋に楽しんでる方もいると思ってます。美術館ではそこに向き合えるというのがステキなことだと思います。その作品に込めた思いや表現方法の自由さを見つけることで、自分の感情も自由になれる。
これって拘束された日々を送っている人にとっては非日常ですよね。心が自由になれる空間、時間。こういう機会は子供の頃から多く持つべきだと思います。子供の世界だって、今の大人社会の縮図だと子供の話をきいてて思います。社会人みたいな愚痴を言うので、笑。
【自由な心でいることが感性を磨く】
心が自由でいないと自分が何が好きで、何が嫌いか、感動や悲しみのような自分の感情にに気づくことに鈍くなってしまいます。自分の感情が一番の良い人生の為に必要な指針のはずなのに、そこがかけてしまったら迷ってしまうのは当たり前ですよね。アーティストの作品に向かい合ったとき、純粋に好きか嫌いかでいいと思います。評論家でもないかぎり感想を求められることはありませんし、作者を知っている、その作品のバックステージを知っている、という情報の差でも感じ方は違います。大事なのは自分がどう感じたか、あと自分と違う感想を持っている人を否定しないこと。同じ作品をみて、感じ方が違うのはそれが感性なのでいい悪いではないです。作品の好き嫌いは、多数派、少数派には分かれるでしょうが、それも美術作品に関しては善し悪しの基準にはなりにくいと思っています。
残念なことに富士宮には美術館がありません。ただアートに通じてる方が住まわれていて、ギャラリーがあり作家さんが多く住む町です。富士宮の良さをそういう視点からも、もっとアピールできたらいいのに、と思います。私の大好きな富士宮、美術館が出来たらもっとステキな町になって、ステキな人が集まるようになるだろうと思います。そういう、妄想をカタチにしたい。まだまだ全然現実が足りてないですけど、夢は大きいほうが楽しいので、大風呂敷はとりあえず広げておくタイプです、笑。
結果、私の美術館が好きな理由は【心を自由にするために必要な場所】だから。この一言で感じ取ってもらおうと思います。決まり!