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デザインから学ぶビジネス視点のアーティストとスペシャリスト

先日、打ち合わせで「HPやパンフレットは“ひとり”では作れない」という話になり、それが面白かったので残しておこうと思います。

「これいい感じだよね!」の「いい感じの理由」が何なのか説明できない。

こんなふうに始まったこの話、いつも感覚で判断する私は、言葉で説明することが出来ないモノが多すぎる。商品パンフレットを見ながら「こういうのがいいって伝えるのは難しいですね」と話すと「これね、ひとりじゃ作れないんですよ」って、なんか意外な方向からボールが飛んできました。

このパンフレットには「写真を撮る人」「イラストを描く人」「文章を書く人」「構成をデザインする人」最低でも4人の専門家のお仕事の人が関わります、って。

なんと!この1枚のパンフレットにそんなに関わる人がいるなんて。でも、確かに家や店もひとりで建てられないって作るときに実感ました。そうか、パンフレットも同じか・・・私はharuのパンフレットはひとりの人が作ってくれていたので、それは普通の事だと思っていました。

以前haruのパンフレットを見せて「このデザイナーさんはイラストも描けるのね、すごい!」と出版のお仕事をしているデザイナーさんに言われたことを思い出しました。それも納得、絵が描けるデザイナーは珍しい、だから驚いていたのだと。ずっと仕事をお願いしていた方が、たまたまオールラウンダーのデザイナーさんだったので、イラストも構成も全てお任せすることができていて、だから私の理想がそのままにカタチとなったのだなと気づきました。それを全てくみ取ってくれていたデザイナーさんに改めて感謝です。ただ、それは一般的な仕事の仕方ではないと知りました。意外と知らない人が多いんじゃないかと思った、仕事の裏事情。それはアーティストとスペシャリストの仕事への関わり方の違いということ。

書き始めておいてなんですが、この話上手く伝わるといいけれど、って思っている、汗。

美容師ってオールラウンダーを目指したい人が多い気がします。仕事だけに限らずアクティブで、なんでもやりたい!やり始めたらこだわりたい!極めたい!みたいな人が私の周りにもたくさんいます。美容師=カッコイイ!は創作的な仕事に、こうした人間性の魅力が足されてイメージになっていると思います。

美容師は、お客様に喜んでいただくことが何よりも嬉しい人が就く仕事です。喜んでもらいたいから、お客様の要望にあれもこれも答えるうちに、出来るようになりたいこと、やりたいことが増え、オールラウンダーになっていたという美容師もいるでしょう、というより結構多いかな。ヘア、メイク、ヘッドスパ、アイラッシュ、エステ、ネイル、着付け・・・美容師が関われる美容の仕事の多様性、美容好きなら確かに全部出来るようになりたい、そして全部やってあげたいと思うでしょうね。こういう仕事の仕方は一見「美容というジャンルの専門家」に見えますが、ひとつひとつの仕事の技術や知識の幅広さを考えたら、これに答える美容師は「美容を駆使して作品をつくる人」とも言えます。こだわりを突き詰めた結果のオールラウンダー美容師はアーティストだと、私は思います。自分の仕事に誰も介入しないことで、自分だけの世界観、作品を作り上げる感じ。お客様の要望に対しても、自分がどこまで突き詰めるかも、それに対してはどこまでも自由です。

一方、ひとつのことに対して専門技術と知識を突き詰めていく「スペシャリスト」は、似て異なるモノだと思います。haruで言えば「ヘッドスパ」です、スタッフには専門家としてのスパリストになってもらうことがharuに勤める必須事項です。むしろ、突き詰めるのはそれだけでいい。スタッフには、ヘッドスパに関する事については誰よりも詳しくなって欲しいので、そういうサロンのカタチになっています。

トータルですべてお任せできる美容師がいるサロン、専門家の美容師がいる専門サロン、お客様としてどちらに行くかも「美容師として、どちらで働くか」も自由です。強いて言えば、アーティスト美容師を目指すのであれば、どこかに所属しているとオーナーの理解が不可欠ですから独立したほうが叶いやすいのかなと思うし、フリーランスという選択肢が自由度の高さと相性がいい気がします。

一方、「ヘッドスパのスペシャリストになりたい」と言うのであれば、haruで働くことをお勧めします。ヘッドスパを始めたいと思ったときの最初のステップとしては、いい環境が揃っているのではないかなと思います。

お客様から見たらフリーランスのAさんも、haruに勤めるBさんも同じ美容師(仕事としてみると)です。でも深く見ると全然一緒ではありません。これを私のへっぽこ文章力で、アーティストとスペシャリストと説明してどのくらいの人が共感してくれるだろうなって思っているビジネスのお話でした。